昨今、市民活動団体が自らの活動を映像化しインターネットを通じて発信することが増加しています。その背景には、インターネットの高速化とコンピュータの高機能化、映像編集ツールの普及があげられます。しかし、その映像が届くべきところに届き、活動が評価され、より活動が活性化されるノウハウを、市民活動が持ち得ているかは疑問です。通信インフラができ、ツールが安価で入手可能になった今、インターネットというメディアをどのように利用し活用していくのか、マスメディアとどう使い分けていくのかを考える時期になっているといえます。
本シンポジウムでは、右下のようなシステムを横浜市民メディア連絡会の協力で、アクセスグリッドを用い会場の様子をインターネットで同時配信を行いました。掲示板による、会場外からの参加も行われ、いくつかの質問もシンポジウム内で取り上げられました。また途中、熊本県山江村からのインターネット中継を行い、市民ディレクターの想いを会場に届けてくれました。
シンポジウムの最後には、現在も市民活動の立場でメディアを十二分に活用し成果をあげている岸本氏・マエキタ氏に体験談を語って頂き、市民活動団体がどのように活用していけばよいのか、また受け手でもある市民はメディアとどう付き合っていけばよいのかを考えました。
2005年9月25日(日)13:00〜17:00
80名
1,500円
市民活動によるメディアの活用例として私がいま関わっているホワイトバンドを取り上げて説明しますが、意思を集めて政策を変えることというのは、例えば募金活動に賛成した人が直接お金を寄付することよりも必要なことだったりします。それは貧困という大きな問題を変えていくには、直接問題に対して何かをするよりも、政策を変える働きかけをすることや大きなインパクトを与えることのほうが重要なのです。 メディアを上手に使うということですが、本当は対マスコミになにをするということではなく、基本的な「知らせること」「意見交換すること」「情報交換すること」「合意をつくること」「提案すること」をすることが大切だったりします。 昔から使われている方法ですが、マスコミを利用する方法としては、番組に投稿をしたり、地域の折込ちらしを活用したりできます。他にも自分で撮影したビデオを編集して売り込んだりすることもできます。 いくつかのメディア、媒体をミックスさせることもポイントです。キャンドルナイトの広報をする時は、面白い仕掛けになっているように見せました。コツは複数組み合わせるってことです。例えばインターネットで渋谷の駅前に何月何日の10時に集合してくださいとかになれば実際に人が集まって、その集まった人たちで写真をとってインターネットに掲載するだけでリアリティっていうものが生まれてきます。
asahi.com 東京タワーに貧困撲滅の「ホワイトバンド」 http://www.asahi.com/national/update/0909/TKY200509090334.htm ほっておけない世界のまずしさ http://www.hottokenai.jp/ 100万人のキャンドルナイト http://www.candle-night.org/
山江村のテレビでは「見るもんじゃなくて出るもんばい」といってるんですが、最近、「テレビは見るもんだけど使うもんばい」という風に変わって、それが「使うもんなんだけど作るもんばい」になりました。私も、作るもんばいだと思います。山江村の住民ディレクターは、デジタルカメラで撮ってきたものを自分で編集して、それを自分で見ながらリポートするという簡単な手法でテレビの番組を作るのですが、このプロセスにこそ迫力を養うんだということがわかりました。 実際には企画をして取材をしてカメラで撮って編集をしてリポートもするのですが、実は映像を世の中に出すためにはお金が必要だと分かり、最終的には経理が必要で、その全部のプロセスが住民の人たちが関わることで結果的にコミュニティーができました。 インターネットも同様ですが、人の出会いを作り、出会った人同士がまた出会える状態が必要です。それがあることで、山江村の人たちは相手のところに出かけ、興味のあることをさらに吸収していくというダイナニズムがおこり、村の人たちの振興に繋がっていると考えます。
住民ディレクターの現状と展望 http://www.prism-web.jp/kishimoto_F/kishimoto4.html 住民ディレクターについて http://www.prism-web.jp/work_F/work8.html 山江村民テレビ http://www.ystv.jp/
市民メディアのパイオニアである、マエキタ氏と岸本氏、そして山江村からインターネット中継で住民ディレクター松本氏を 交えてのディスカッションを行いました。メディアをどういう風に使っていくのか、市民がどういう風にメディアをうまく利用していくのか、そのためにはどうしたらいいかということを議論していきました。 マスメディアと市民メディアを対立的にとらえるのではなく、マスメディアも含めた市民メディアをつくっていく必要性を述べたほか、会場からメディアとは何か、マスメディアとインターネットの違いとは何か、そして市民生活、市民活動にとってメディアをどう利用していくのかなどの質問に答えました。ディスカッションの最後にはこれからの市民メディアはどうなっていくのかを話し合いました。 そこでは一番大事なことは、自分たち市民が地域づくりに役立つ情報、地域づくりに役立つ情報を流すことが大切だと語られました。
1986年電通入社。コピーライター・CMプランナー。90年 学生援護会「サリダ」のテレビCMで東京コピーライターズクラブ最高賞をグループ受賞、ラジオCMで新人賞を受賞。91年東レ企業テレビCM「みんなが鳴っている」で、ニューヨークアートディレクターズクラブ入賞、アジア・アドバタイジング・アワード受賞。以降ACC賞テレビ部門、ACC賞ラジオ部門など多数受賞。東京コピーライターズクラブ会員。
ソーシャルコミュニケーション研究会メンバーとして日本におけるNGOの広告の可能性に挑戦。97年より日本自然保護協会を本格サポート、広報/ブランディングマネージャー。2001年電通初の環境展「アースデイ」トータル・コーディネーター。NPOの情報発信やコミュニケーションを応援する「サステナ」を立ち上げる。
ズームイン朝!、24時間テレビ、ドキュメント、11PM、笑点など固ものから柔らかいものまで経験。一方、ニュース制作では記者、カメラマン、編集、OAディレクター、ニュースデスクまでの全てのプロセスを経験した。
1990年より、企画段階から住民と共に関わる番組づくりを模索し続ける。映像制作のプロセスを経験することで、企画力、取材力、構成力、広報力を養成し、地域情報を自ら発信すると共に、地域作りのリーダーを目指す「住民ディレクター」を発案、人吉球磨地域から養成講座をスタートする。この「住民ディレクター」を中心にくまもと未来国体での臨時FMラジオ局の運営や、住民手作り番組の制作など情報発信をまち創りに活かす企画をプロデュースしている。
1998年より、企業から排出されるパソコンを全国の学校寄贈する「アインシュタインプロジェクト」に参加。2000年より2004年まで代表を勤める。2002年、リユースPC寄贈を中心とする市民団体・NPOの情報化支援のため、企業と共に「イーパーツ」を立ち上げ現在に至る。
また、1997年より2004年まで、こどものインターネットコミュニティ運営管理業務、2001年ドコモAOLオンラインコミュニティアドバイザーとして全国14箇所でオンラインセーフティについて講演するなど、インターネットコミュニティの活用とそのリスクマネージメントに関わる。東京電機大学・産業能率短期大学兼任講師、専門は「情報倫理」「ボランティアネットワーク論」。